3月1日
これはしがく新聞3月号のコラムです。
■リード
厚生労働省や文部科学省、各調査機関が就職内定率を発表している。その数字を見て「今年の就職活動は厳しい」と報道されている昨今である。しかし、どんなに厳しいと言われようが、就職活動を勝ち抜いていく学生と、なかなか上手くいかない学生に分かれていくのも現実である。就職活動が上手くいかない学生に足りないものは何なのか。日々大学生に接している立場から考えてみたい。
■本文
就活支援を無料でおこなっている当社の『プレミアムスタイル』には毎年数千名が登録する。早い人は大学三年生の二月に内々定をもらい就職先が決まる。昨年は震災の影響で採用活動は遅れたものの、例年は四年生の春から夏にかけて内々定をもらい就職活動を終える学生が多い。こうした時期の学生に対して私が特別にすることは何もない。秋も深まり、就職先がなかなか決まらない学生に対して私の就職塾が始まる。この頃まで決まっていない学生は、様々な事情で就職活動の開始が遅れた学生もいるが、大半は就職活動を続けてきたが上手くいっていない学生だ。聞くと「面接に百回以上落ちた」と言う学生もいる。少し上手くいかないだけで早々に就職活動を諦めてしまう学生もいるなか、就職塾にやってくる学生は決して諦めていない。
彼らは男女、文系理系を問わず、とても頑張り屋で精神的にも強い。辛いのに、明るく気丈に振る舞っていることがよく伝わってくる。希望を捨てずに頑張っている学生がせっかく来てくれるのだから私は就職塾の講師に全身全霊をかけている。就職塾と言うと、やれエントリーシートの書き方やら、面接でどう話せば良いかなど、「就職活動をどう上手くやるか」を指導していると想像される方も多いかもしれない。しかし、私は就職活動の話をすることはほとんど無い。
なぜ内定がもらえないのか。全員と言うつもりは毛頭ないが、彼らの共通項は雰囲気が暗く、運が悪そうに見えることだ。「人を見た目で判断するな」とお叱りを受けるかもしれない。しかし、松下幸之助は「運が良いと思うか」と尋ね、「はい」と答えた人を採用したという話は有名だ。採用に「運が良さそう、愛嬌が良い」という二点を重視した松下幸之助の考えは、多くの経営者も共感するはずだ。そのくらい本で読んだことがあると学生は言う。ただ、読んで覚えて答案に書けば良いわけではない。愛想の良さを演じたところで結局は見抜かれる。ではどうすれば良いか。私は「今まで起こった出来事は全て自分を高めるトレーニングで、全てが自分の武器になる」と指導している。そうすると目の前の困難を含め、自分に起こること全てに感謝するようになっていく。「ありがたい」といつも考えている人は明るい表情になり、人相も良くなっていく。そして、困っている人を放っておけず電車で席を譲る。誰が見ているわけでもないのに店のスリッパを揃える。食事の世話をしてくれた人に、一言「美味しかったです」とお礼を言う。こうした行動を続けているうちに自然と自信や自尊心が芽生えてくる。明るく自尊心がある人には存在感が備わってくる。それをアピールするのではなく、こうした心で面接官に会いに行くのだ。自ずと結果はついてくる。
最後に諦めず就職活動を続けている学生に送る。貴方の良さを見抜いてくれる人は必ずいる。それを信じて欲しい。貴方を見抜いてくれた人がいる企業は必ず将来性があるはずだ。社会に出ても「見抜かれても良い自分」であることが何よりも大切なことなのだ。
NEXUS中本さん担当 高橋彩乃と申します。
今月も素敵な記事をありがとうございます。
私は現在3年生で就職活動中なので、自分に当てはめながら読ませて頂きました。
室舘代表のコラムを拝読して、改めて、『何が起きても、いつかは全て自分の糧になる』という気持ちで何事にも正面から向き合っていきたいと思いました。
また、どこから見られても恥ずかしくない自分を目指して生活し、見抜いて頂ける日まで就職活動を頑張っていきます。
ありがとうございました。
しがくニュースペーパー読ませて頂きました。
本当にその通りだと思わされました。
読ませて頂いて、社会人一年目が終わろうとしている私が考えるのは全ての責任は自分ということです。入った会社で、その営業先で、何があろうとどんなことになろうと、それは全て自分の責任だと、さっぱり腹をくくります。
ありがとうございました。
しがくニュースペーパーを読み、過去の様々な出来事を思い出しました。
改めて、日々の行いが自分を作っていると気付かせて頂きました。
その場しのぎは通用しない。
いつかのしがくセミナーで講師の先生がおっしゃっていた「お天道さまに恥じない自分」を意識していきたいです。
ありがとうございました。
本物以外は淘汰されていくなかで何が大切なのか、自分がまず行動していくことだと思いました。
いつばれてもいい自分をつくります!