今すぐ始める与える人生

これは、しがく新聞01月号のコラムです。

◆リード:
若者に「人から奪う人生がよいか、人に与える人生が良いか」と問うと、多くの人が「与える人生が良い」「世の中の為になることをしたい」と答える。ただ、今すぐに誰かの役に立とうというのではなく、「将来的には」と考えているようである。声を大にして言いたい。将来ではなく、今から始めてもらいたい。

◆本文:
若者に接していて最近感じることは、「世の為、人の為になることをしたい」と考えている人が多くいることだ。ただ、今すぐに誰かの役に立とうというのではなく、将来的にと考えている若者が多いように見受けられる。
人に与えられることと言えば、相手の利益となることをするのはもちろん、考え方や意見を尊重し、一緒に喜んだり、笑ったりする。一緒に泣くこともできる。お金が無くとも見返りを求めず体を張って手伝うこともできる。自分の損得抜きで、相手中心に考え、話し、行動することがまさに与えていることと言える。逆に人から奪うとは何か。物質的な物を奪うのは論外だ。しかし、たとえ物を奪っていなくても、時間に遅れるのは時間泥棒だ。人を不快にさせるのは機嫌泥棒である。損をさせたり、手柄を奪ったり、仲間はずれにしたり、人間は物心がついた時から、何かと人から奪いながら生きている。
人生全ての行いがプラスにはならないものだ。加点・減点を繰り返して生きていく。『古事記』に登場する日本の神様でさえ、親兄弟を悲しませ、周りの神様を困らせる。どうせプラスマイナスの人生なのだから、少しでも多くプラスなことを積み重ねて、魂を磨きたいものだ。人に与えるとか、世の中の役に立つというのを、五年後、十年後の目標と考えている若者が多いようだ。それは一つの固定観念であって、日々の行動が相手にとってプラスなのか、マイナスなのかを考えれば、今からでもできることは山ほどある。

家族と同居しているのならば、家族としっかり向き合うことから始めるとよい。「しっかり挨拶をする」「『ハイ』と返事をする」「靴をそろえる(後始末をする)」。この三つは教育者・森信三の言葉だ。即実行してみるとよい。誰も悪い気はしないし、気持ちがいいものだ。あまり多くのことをしていないので威張れることではないが、私の家事の手伝いは、毎朝のハタキかけと、バスタブから洗濯機に残り湯を運ぶことだ。靴もそっと揃えている。会社では、自分から元気に挨拶をし、労いの言葉をかけている。また以前、しがくセミナーで講演いただいた幸南食糧の川西社長に教わった、社員全員で一日二つゴミを拾う「ワンデー・ツー」運動は、まず自分からやってみた。すると自然と周りもやるようになり、社内は以前にも増してきれいになった。社員の誕生日には、事業部を飛び越えて社員同士が色紙一杯にメッセージを書き、お祝いをする光景をよく目にする。私も全員に必ずプレゼントを贈り、可能な限り個別で会ってお互いに言葉を交わす。私の誕生日に社員一同から着物をプレゼントしてもらった時は、幸せな気持ちで一杯だった。
人をよくするような与える人生を送るために、簡単にできることはすぐ行動するべきだ。自分の人生の総合点は常に変化する。今だけではなく、プラスなことをし続けるのだ。そうすれば人生を終えるときに、多くの人に与えたことを実感できるはずだ。私も一つでも徳を積み重ね、幸せを感じる人を増やしたい。

表紙コラム


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