第170回 しがくセミナー ペマ・ギャルポ先生

今回は、ペマ・ギャルポ先生にご登壇いただき、
「中国のチベット侵略と領土拡張主義」と題して、
祖国チベットの歴史と中国の政策の実情をお話いただきました。

◆もともとのチベットは、現在の中国の4分の1の広さを占める広大な国だった。
6分割されて現在残っているのが、「チベット自治区」という。
その他は青海省や四川省に組み込まれてしまった。

◆チベットは紀元前127年からの歴史があり、中国に侵略されるまで2150年も続いていた。
標高3000mを超す高原が自然の要塞となりチベットの平和を担う一因となっていた。
日本と同時期に、鎖国政策を行う中で、芸術や学術、仏教などが発展していった。
しかし、帝国主義の台頭とともに、近代化に乗り出すも、国内の反対が強く軍事化がうまく進まなかった。
それが結果的に、中国の侵略に対抗できる力を伸ばしきれない要因になっていったのではないか。

◆最初、中国政府はチベットに対して友好的な内容の条約を提示し、人民解放軍を入れてきたが、
数年もすると、条約と真逆のことをやり始めて、東チベットを中心に侵略が始まった。
1959年には、ダライ・ラマ法王もインドに亡命し、亡命政府をたて、チベットは中国に奪わられた。

◆中国の特徴として、侵略する力がないときには「対話」と言って近づいてきて条約を交わすが、
相手を力でねじ伏せられるようになると、条約を破り自分たちのやりたいようにやっていく。
その結果が、チベットであり、南シナ海での侵略行為。

◆日本に対しても、沖縄は、尖閣諸島は中国のものだと言ってきているのは、侵略の流れ。
中国政府は日本人のように真摯に対応してこないことを踏まえて置かなければ、
祖国チベットが亡くなったように、日本も亡くなってしまう。
日本人には、そういう経験をしてほしくない。

ペマ・ギャルポ先生が経験された祖国が奪われる、家族が奪われる経験の話は、
ゆっくりと丁寧に話されながらも、とても迫力のあるものでした。

日本を日本として守っていくには、何を知り、考えていかないとならないのか。
参加された方々は、日本人としてとても大切なことを学べたと思います。

ペマ先生、ありがとうございました。

ハート出版『犠牲者120万人 祖国を中国に奪われたチベット人が語る 侵略に気づいていない日本人』
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